【吹子】 「ほら!ここ!花火がすごくきれいに見える場所なんだよ!」
浴衣姿もまぶしい吹子ちゃんがピョンピョンはねながらそこまで案内してくれた。
僕の特訓により、以前より体力のついた吹子ちゃんは息を切らすことはない。
【ジグロ】 「花火!楽しみだね!」
【吹子】 「うん!毎年すごいんだから!見るだけで幸せになれるよ!」
息を切らすことは確かになかったが、なにせはしゃぎすぎて
花火が始まる何時間も前からそこを陣取っていて…。
始まるころには吹子ちゃんはすっかり眠っていた。
【ジグロ】 「…そういや就寝時間は9時っていってたっけ…」
花火の打ちあがる時間は夜の8時から9時である。
僕を楽しませるためにはしゃいでいたものだから、
…一時間分、いつもより余分に体力を使ってくれた訳だ…
僕は眠る吹子ちゃんを背負った。
【ジグロ】 「ありがとう。楽しかったよ。」
打ちあがる花火を背に、僕は吹子ちゃんの家へと向かった。
始まったばかりの花火大会、打ちあがる花火。
だけど僕はそれをちっとも惜しいとは思わなかった。
僕だけのために一時間余分に上がった打ち上げ花火を
見れたことのほうがうれしかった。